この記事では、GCP(Google Cloud Platform)の認定資格の種類と難易度について解説します。
昨今、クラウド環境をベースとしたプロダクト開発がスタンダードになってきており、IT人材の転職市場でもGCPやAWSといったクラウドサービスが扱える人材は非常に市場価値が高くなっている傾向にあります。
『これからGCPの認定資格に合格して自身の市場価値をさらに高めていきたい方』は是非参考ください。
この記事を書いた人:きむら
- Professional Cloud Architect,Professional Cloud Developerに合格済み
- GCPを本業で利用して5年目
- GCPを個人開発で利用して7年目
- Google Cloud (GCP) 認定資格とは?
- Google Cloud 認定資格の種類
- Google Cloud 認定資格の概要と難易度
- Cloud Digital Leader
- Associate Cloud Engineer
- Cloud Architect ( Professional Cloud Architect )
- Professional Cloud Developer
- Professional Cloud DevOps Engineer
- Professional Cloud Security Engineer
- Professional Cloud Network Engineer
- Google Workspace Administrator
- Professional Machine Learning Engineer
- Professional Cloud Database Engineer
- Professional Data Engineer
- まとめ
Google Cloud (GCP) 認定資格とは?
Google Cloud Platform(GCP)は、Googleが提供するクラウドサービスのコレクションであり、データ分析から機械学習、ストレージ、コンピューティングまで多岐にわたるサービスが含まれます。これらのサービスの知識と専門的なスキルを持つことを公式に証明するためのものが、Google Cloud 認定資格です。
受験方法
Google Cloudの認定試験は、オンラインや特定の試験センターで行います。
合格で得られる三つのメリット
Google Cloudの認定資格に合格すると以下のようなメリットを享受できます!
1.デジタルバッジがもらえる!
合格者は、特定の認定資格を示すデジタルバッジを受け取ります。これは、LinkedInのようなソーシャルメディアプロフィール、メールの署名、または個人のウェブサイトに表示することが可能です。
2.認定ディレクトリに名前が掲載される!
Google Cloud 認定ディレクトリに、合格者としての名前が掲載されることがあります。ただし、これはオプトインのサービスで、受験者が希望する場合のみ公開されます。
3.新たなキャリア獲得の機会が得られる!
認定資格を持つことで、求職者や昇進を希望する者にとってのキャリアの機会が増えることが期待されます。
Google Cloud 認定資格の種類
Google Cloud 認定資格は全部で11種類あります(2023年8月時点)。
自身の現時点での習熟度と習得したいレベルを確認しながら適切な試験を受験しましょう。
カテゴリ | 資格名称 |
---|---|
基礎的な認定資格 | Cloud Digital Leader |
Associate | Cloud Engineer ( Associate Cloud Engineer ) |
Professional | Cloud Architect |
Professional | Cloud Database Engineer |
Professional | Cloud Developer |
Professional | Data Engineer |
Professional | Cloud DevOps Engineer |
Professional | Cloud Security Engineer |
Professional | Cloud Network Engineer |
Professional | Google Workspace Administrator |
Professional | Machine Learning Engineer |
次に各試験の概要と難易度について詳しく解説していきます。
Google Cloud 認定資格の概要と難易度
Google Cloud 認定資格は、非常に幅広い分野に分かれていますので、自身の習熟度に合わせて適切なレベルの資格を受験しましょう。
Cloud Digital Leader
Google Cloud 認定資格であるCloud Digital Leaderについてご紹介します。
概要
Cloud Digital Leaderは、Google Cloud初級者におすすめの資格です。
試験内容は主にサービス概要について答えるような出題傾向になっており、上級の試験で出題されるユースケースに応じた複数のサービスを組み合わせた問題や、実装に関する問題は出題されません。
対象者 | GCPの基礎知識を持っていることを証明したい方 |
出題範囲 | クラウドの概念と利点の理解 / GCPサービスに関する基本的な知識 / クラウドラウド移行 / クラウドの価格とサポート |
試験時間 | 90分 |
受験対応言語 | 英語・日本語 |
受験料 | $99 |
出題形式 | 50 ~ 60 問の多肢選択(複数選択)式 |
難易度 | 低 |
おすすめの勉強法
合格者による寄稿記事が役に立つと思います。
Associate Cloud Engineer
Google Cloud 認定資格であるAssociate Cloud Engineerについてご紹介します。
概要
Associate Cloud Engineerは、GCPのサービス概要については網羅的に把握していて、GCPの基礎的な使い方を理解できている方におすすめの試験です。
Google Cloud Platform (GCP)を使用してクラウドソリューションを展開、モニタリング、管理する技術者向けの認定資格です。この認定資格を取得すると、GCP上でのリソースの展開、コンフィギュレーション、ネットワーキングの管理など、基本的なタスクを適切に行えることが証明されることになります。
対象者 | GCP上のエンジニアリングタスクを実行できることを証明したい方 |
出題範囲 | セットアップと構成 / GCP製品の展開と実装 / データのロードと変換 / Google Cloudとのインタラクション / アプリケーションのモニタリング、トラブルシューティング、およびその他の管理タスク / アクセスとセキュリティの設定 |
試験時間 | 2時間 |
受験対応言語 | 英語、日本語、スペイン語、ポルトガル語 |
受験料 | $125 |
Cloud Digital Leaderと比べると知識と活用方法のどちらも求められますので、ユースケースに応じ柔軟にベストプラクティスを検討する必要があります。
しかしながら基本的な構成のみが問われることもあり、着実に参考書レベルの内容を理解していれば合格できる試験でもあります。
おすすめの勉強法
以下の合格者による寄稿記事が役に立つと思います。
Cloud Architect ( Professional Cloud Architect )
Google Cloud 認定資格であるProfessional Cloud Architectについてご紹介します。
概要
Professional Cloud Architectは、さまざまなユースケースに対し、可用性が高く堅牢なGCPのアーキテクチャを検討/構成できることを証明する試験になります。
試験内容は、非常に情報量の多いユースケースに対しベストプラクティスを検討する必要があります。
また、アーキテクトを検討する観点から幅広いGCPサービスの理解を求められます。
対象者 | GCPを活用したアーキテクチャの検討/構築ができることを証明したい方 |
出題範囲 | ソリューションの設計と計画 / オーガニゼーションのクラウドアーキテクチャとインフラの管理 / アプリケーションのデザイン、開発、および統合 / データの設計と統合 / オペレーションとサポートの最適化 |
試験時間 | 2時間 |
受験対応言語 | 英語、日本語 |
受験料 | $200 |
出題形式 | 50 ~ 60 問の多肢選択(複数選択)式 |
難易度 | 高 |
おすすめの勉強法
ちなみに筆者はこの「Professional Cloud Architect」に合格しています。
詳しい勉強方法は以下をご参考ください。
Professional Cloud Developer
Google Cloud 認定資格であるProfessional Cloud Developerについてご紹介します。
概要
Professional Cloud Developerは、アプリケーション開発者向けの認定資格となっています。
そのため、可用性や拡張性、または実行したコードのトレーサビリティーなどアプリケーションを開発すつ上での知識が求められる試験です。
対象者 | GCPを活用したアプリケーションの設計およびビルドやテストといったアプリケーション実装に特化したスキルを証明したい方 |
出題範囲 | スケーラビリティ、可用性、信頼性に優れたクラウドネイティブ アプリケーションの設計 / アプリケーションのデプロイ / デプロイされたアプリケーションの管理/ Google Cloud サービスの統合 / アプリケーションのビルドとテスト |
試験時間 | 2時間 |
受験対応言語 | 英語、日本語 |
受験料 | $200 |
出題形式 | 50 ~ 60 問の多肢選択(複数選択)式 |
難易度 | 高 |
アプリケーションを普段から開発している人にとっては優しく、アプリケーション開発をやったことがない人にとっては難しいレベルの試験になります。
おすすめの勉強方法
筆者は以下の方法でProfessional Cloud Developerに合格しました。
Professional Cloud DevOps Engineer
Google Cloud 認定資格であるProfessional Cloud DevOps Engineerについてご紹介します。
概要
Professional Cloud DevOps Engineerは、サービス信頼性の維持や適切なCICDによる開発効率化を実現できることを証明する資格です。
そのため、サービスパフォーマンスの分析や、CICDパイプラインのベストプラクティス、インシデント管理方法などが出題傾向として挙がっています。
対象者 | GCPを活用したDevOpsのスキルを証明したい方 |
出題範囲 | DevOps 向けに Google Cloud 組織をブートストラップする / サイト信頼性エンジニアリングのプラクティスをサービスに適用/ サービス パフォーマンスを最適化 / サービスの CI / CD パイプラインを構築および実装 / サービスのモニタリング戦略を実装 |
試験時間 | 2時間 |
受験対応言語 | 英語、日本語 |
受験料 | $200 |
出題形式 | 50 ~ 60 問の多肢選択(複数選択)式 |
難易度 | 高 |
インフラや、SREのロールを持つ人の知識が必要とされ内容は非常に専門性が高いです。
おすすめの勉強法
以下の合格者による寄稿記事が役に立つと思います。
Professional Cloud Security Engineer
Google Cloud 認定資格であるProfessional Cloud Security Engineerについてご紹介します。
概要
Professional Cloud Security Engineerは、GCP上でセキュリティの高い、堅牢なシステム構築ができることを証明する資格です。
主に、権限管理や、コンプライアンスの検討、重要情報の保護方法などが出題傾向となっています。
クラウドのセキュリティについては今後も非常に需要の高くなる分野になりますのでおすすめの試験です。
対象者 | GCPを活用した堅牢なセキュリティ構築のスキルを証明したい方 |
出題範囲 | クラウド ソリューション環境内のアクセスの構成 / ネットワーク セキュリティの構成/ データ保護の確保 / クラウド ソリューション環境内のオペレーションの管理 / コンプライアンスの確保 |
試験時間 | 2時間 |
受験対応言語 | 英語、日本語 |
受験料 | $200 |
出題形式 | 50 ~ 60 問の多肢選択(複数選択)式 |
難易度 | 高 |
セキュリティ周りの試験はユースケースをしっかりと捉えられないとなかなか正解に辿り着くことができません。特に権限周りの話は複雑なので難しい印象です。
おすすめの勉強法
以下の合格者による寄稿記事が役に立つと思います。
Professional Cloud Network Engineer
Google Cloud 認定資格であるProfessional Cloud Network Engineerについてご紹介します。
概要
Professional Cloud Network Engineerは、GCPサービスを活用してネットワーク構成を構成できることを証明する資格です。
主に、プライベートなネットワーク構成や、オンプレとの情報連携、また冗長化に関わるユースケースの問題など問題は多岐に渡ります。
対象者 | GCPを活用したネットワーク構築のスキルを証明したい方 |
出題範囲 | Google Cloud ネットワークの設計、計画、プロトタイピング / ネットワーク サービスの構成/ ネットワーク オペレーションの管理、モニタリング、最適化 / Virtual Private Cloud(VPC)インスタンスを実装する / ハイブリッド相互接続の実装 |
試験時間 | 2時間 |
受験対応言語 | 英語、日本語 |
受験料 | $200 |
出題形式 | 50 ~ 60 問の多肢選択(複数選択)式 |
難易度 | 高 |
ネットワークに関する基礎知識がないと、試験に合格することは難しいでしょう。
そのため、高度情報資格である「ネットワークスペシャリスト」といった資格などがあると有利かと思います。
おすすめの勉強法
以下の合格者による寄稿記事が役に立つと思います。
Google Workspace Administrator
Google Cloud 認定資格であるGoogle Workspace Administratorについてご紹介します。
概要
Google Workspace Administrator は、Google Workspaceや、その他Googleのツールサービスを、既存のビジネスに対し検討/導入できることを証明する試験です。
そのため、インフラやアーキテクチャというよりも既にビジネス向けに完成されたGoogleの業務ツールを、特定のユースケースに対し適切に導入できるかが問われる試験傾向となっています。
対象者 | GCPを活用したネットワーク構築のスキルを証明したい方 |
出題範囲 | オブジェクトの管理 / データのアクセスと認証 / サービスの構成 / ビジネス イニシアチブのサポート / トラブルシューティング |
試験時間 | 2時間 |
受験対応言語 | 英語、日本語 |
受験料 | $200 |
出題形式 | 50 ~ 60 問の多肢選択(複数選択)式 |
難易度 | 高 |
試験範囲が非常に限定的であるというのと登場するGCPサービスの概要もそこまで難しくないです。(あくまで他のProfessional系資格と比較してですが…。
おすすめの勉強法
以下の合格者による寄稿記事が役に立つと思います。
Professional Machine Learning Engineer
Google Cloud 認定資格であるProfessional Machine Learning Engineerについてご紹介します。
概要
Professional Machine Learning Engineerは、GCPを活用してデータサイエンス及びデータエンジニアリングができることを証明する資格です。
そのため、特定のユースケースに対しどのようなサービスをデータレイクとして使うのか、どのようなサービスをDWHとして活用するのか。パイプラインはどのようにして構築するのかなどが問われます。
対象者 | GCPを活用した機械学習サービスの構築スキルを証明したい方 |
出題範囲 | ML 問題の枠組み/ ML ソリューションの設計 / データ準備 / 処理システムの設計 / ML モデルの開発 / ML パイプラインの自動化とオーケストレーション / ML ソリューションのモニタリング、最適化、メンテナンス |
試験時間 | 2時間 |
受験対応言語 | 英語 |
受験料 | $200 |
出題形式 | 50 ~ 60 問の多肢選択(複数選択)式 |
難易度 | 高 |
GCPのML系サービスはまだ出たばかりのものもあったりするので、ベストプラクティスの情報がなかなか検索しても出てこない場合もあります。
そのため、他の試験と比べるともう一段階難易度が上がる印象があります。
おすすめの勉強法
以下の合格者による寄稿記事が役に立つと思います。
Professional Cloud Database Engineer
Google Cloud 認定資格であるProfessional Cloud Database Engineerについてご紹介します。
概要
Professional Cloud Database Engineerは、GCPを活用してデータベースの設計や作成、管理及びトラブルシューティングができることを証明する資格です。
ビジネス要件を正確に整えて拡張性が高く柔軟なデータベースソリューションを構築する知識を獲得することができます。
対象者 | GCPを活用したデータベースの構築スキルを証明したい方 |
出題範囲 | スケーラブルで可用性の高いクラウド データベース ソリューションを設計する/ データ ソリューションを移行する / 複数のデータベース ソリューションにまたがるソリューションを管理する / Google Cloud にスケーラブルで可用性の高いデータベースをデプロイする |
試験時間 | 2時間 |
受験対応言語 | 英語 |
受験料 | $200 |
出題形式 | 50 ~ 60 問の多肢選択(複数選択)式 |
難易度 | 高 |
まずデータベースそのものの知識を持っていないと勉強自体うまく進められません。
また試験が新しいので、現時点で有効な教材が少ないことも難易度が高い要因となっています。
おすすめの勉強法
以下の合格者による寄稿記事が役に立つと思います。
Professional Data Engineer
Google Cloud 認定資格であるProfessional Data Engineerについてご紹介します。
概要
Professional Cloud Data Engineerは、GCPを活用して大量のデータを収集・加工・連携ができることを証明する資格です。
一般的にはデータ活用や機械学習などの領域におけるデータエンジニアをイメージしていただけると良いと思います。
要件に応じてどのようにパイプラインを組むか、どのような柔軟性や保守要件を盛り込む必要があるのかが問われます。
対象者 | GCPを活用したデータエンジニアリングのスキルを証明したい方 |
出題範囲 | データ処理システムの設計/ ソリューションの品質の確保 / 機械学習モデルの運用化 / データ処理システムの構築と運用化 |
試験時間 | 2時間 |
受験対応言語 | 英語、日本語 |
受験料 | $200 |
出題形式 | 50 ~ 60 問の多肢選択(複数選択)式 |
難易度 | 高 |
機械学習やビックデータ領域の基礎知識が必要になります。
取り扱うGCPサービスも多岐に渡るため比較的難しいです。
また、こちらの試験も最近出てきた試験のため、有効な試験対策が少なく(特に日本語の教材が少ない)勉強に苦労します。
おすすめの勉強法
以下の合格者による寄稿記事が役に立つと思います。
まとめ
ここまでの内容を以下の表にしてみました。
カテゴリ | 資格名称 |
---|---|
基礎的な認定資格 | Cloud Digital Leader |
Associate | Cloud Engineer ( Associate Cloud Engineer ) |
Professional | Cloud Architect |
Professional | Cloud Database Engineer |
Professional | Cloud Developer |
Professional | Data Engineer |
Professional | Cloud DevOps Engineer |
Professional | Cloud Security Engineer |
Professional | Cloud Network Engineer |
Professional | Google Workspace Administrator |
Professional | Machine Learning Engineer |
GCPは今後も高い需要が見込まれるクラウドサービスの一つとなっています。
まずは簡単なところから挑戦してGCPの知識を習得してみてください!